トロイダル コア

(2001/11/20)


トロイダルコアとは?
磁性体(カーボニル鉄Fe(CO)5)の粉をドーナツ状に固めて、焼いて固めたものです。
これに線を巻くことでコイル(無端ソレノイド)をつくることができます。
磁性体の粉を焼結したことで高周波での損失がすくなくなります。

磁性体の種類で使用できる周波数は異なります。

磁性体 カーボニル鉄 Fe(CO)5 マンガン・亜鉛 Mn・Zn ニッケル・亜鉛 Ni・Zn
製法 カーボニル鉄の粉を絶縁体で包み、
圧縮成形したのち焼結する。
磁性体を圧縮成型し、焼結する。
特徴 比透磁率はあまり高くない。
高周波での損失が少ない。
比透磁率が高い。
損失(鉄損)が多い。
低周波(1MHz以下)で使用する。
比透磁率が高い。
10MHz以下で使用する。
比透磁率 50以下 1000~5000程度 100~1000程度
製品 Tシリーズ FTシリーズ(FT-xx-#43,75,77) FTシリーズ(FT-xx-#61,63)


トロイダルコアの名称フェライトコアの写真
T-25-#12のようにコアサイズを示す略号(T-xx)とコアの材質を示す略号(#yy)で記述されている。右の写真は、フェライトコア(T-25シリーズ)である。
トロイダルコアを使用すると、コイルから発生した磁束の大部分がコア内に集まり、コア外に洩れる磁束がほとんどなくなる。
洩れ磁束が少ないということは、

というメリットがある。巻数とインダクタンスの関係については、電気磁気学の書物にでています。

コアサイズ サイズ[mm]
外径 内径 厚さ
T-12 3.2 1.6 1.3
T-25 6.5 3.0 2.4
T-37 9.4 5.2 3.3
T-50 12.7 7.7 4.8
T-68 17.5 9.6 4.8
T-80 20.2 12.6 6.4
T-94 23.9 14.2 7.9
T-106 26.9 14.2 11.1
T-130 33.0 19.8 11.1
T-200 50.8 31.8 14.0
コアの種類 比透磁率 使用できる周波数 周波数特性
#3 グレー 30 50kHz-500KHz fig 5-1
#2 10 500KHz-10MHz fig 5-2
#6 黄色 8 10MHz-30MHz fig 5-3
#10 黒色 6 30MHz-60MHz fig 5-4
#12 緑/白
(2色で塗り分け)
3.5 60MHz-200MHz fig 5-5

ワイヤについて
この実験室で使用しているワイヤはつぎのとおり

種類 概観 直径 AWG
公称 実測
ジュンフロン線 色付きビニール
(10色あり)
0.26mm 導体直径
0.26mm
AWG30相当
ホルマル線 透明塗料で絶縁
(塗料を含む外形を測定)
0.4mm 0.430mm AWG26
0.26mm 0.283mm AWG30
0.2mm 0.210mm AWG32
0.14mm 0.155mm AWG35

AWG : American Wire Gauge


高橋研究室 技術資料